TaoChat@1138編集後記

今日は風があり、涼しい朝を迎える事ができた。日は照っているので、それなりの暑さにはなっている。台風が迷走し、大雨や強風で被害を受けた方も多いと思いますが、大事に至らないことを願っております。パソコンのGoogle Chromeの調子が悪く、再起動をかけたら、「コンピュータの電源を切らないでください」という表示が出たままで、40分も先に進まない現象が出てしまった。スマホで対策を探し、強制終了したら何とか立ち上がった。そんなこんなで、メルマガの原稿書きが遅れてしまいました。申し訳有りません。

この一週間の出来事は、ゴルバチョフソ連大統領が91歳で亡くなった。ゴルバチョフさんの印象は、ソ連を終りにし、東西冷戦を終結させた英雄だった。今回のプーチンウクライナ侵略でもそうだが、ロシア(旧ソ連)大統領の判断が、世界の戦争と平和を決めてしまう。ソ連をもっと小さな国にして、ロシアを再スタートさせたのは、大統領としてのゴルバチョフさんの大きな判断だった。これによって、ウクライナは独立できた。ウクライナ政府は、曖昧で一貫性のない人物という冷たい評価だが、彼が舵を切らなかったら、ウクライナは存在していなかったかもしれない。メルケルさんにとっては、彼女の人生を根底から変えてくれた恩人だった。これまでのソ連の対応は、戦車で軍事的に威圧して、民主化の力をそぐことに徹した。それをゴルバチョフさんは、民主化の流れを止めてはいけないと判断し、力による威圧を排した。ただし、エストニア民主化独立には反対したので、エストニア政府は彼の功績を認めていない。ゴルバチョフさんにとっても、ソ連邦の急進的分裂は抑えたかったのかもしれない。

今回の言葉は、老子から選んだ。和光同塵の言葉を考えてみた。世間で言われている、能ある鷹は爪を隠せ的な意味では、あまりにも作為的すぎて、老子さんに申し訳ない。

知る者は言わず、言う者は知らず、で始まる章を選んだ。正岡子規氏の「獺祭書屋俳話」の小序もこの言葉から始まる。知る者は軽々しく言葉を発しない。じっくり言葉を吟味して語る。語りつくせないことはそれなりの表現に留める。見たり聞いたりしたことをそのまま言葉にしても、真の知識にならない。対象と同化して始めて、そのものを語る事ができる。悪人を批判しても、悪人のことは理解できない。悪人と同化して、悪人が自分自身であることに気づき、悪人の気持ちを理解できる。歎異抄の言葉もまた、自分を悪人と同化させないと理解できない。老子和光同塵から、そんなふうに感じてしまった。