TaoChat@1222編集後記

2週間の入院生活ののち、退院できてホッとしています。心筋梗塞の怖さを知ったのは、冠動脈が血栓で止まり壊死した細胞が再生しないと医師に言われたときだった。つまり、一度傷をおった心臓とつきあわなければ、この先長生きできない。そのためには、血管に血栓ができないように食生活を変えることと、心臓に負担を与えないように塩分を控えること、そして、血圧を下げる薬を飲み続けることである。これらを守らないと、動脈硬化は抑えられず、心臓に影響がでなくても、脳や他の部位で梗塞を起こし、細胞壊死の憂き目に会うことになる。入院の2週間は、リハビリの2週間だった。ICUに2日間いたときは、尿道の痛みに悩まされ、便秘も続き体調は最悪だったが、病室に移ってからは、食事も出て運動もでき体調は回復した。複視の症状が出て血栓が脳に飛んだことが心配になり、2度脳MRIをとってもらった。脳にも血栓らしきものが見られたが、複視との関係はわからなかった。薬の副作用で複視の症状がでることが疑われ、薬を変えてもらった。複視は10日ほどで直った。2週間の入院生活での楽しみは、テレビとスマホと読書と食事だった。よく眠れず、朝5時から、BSで大谷君の活躍を見ていた。スマホでは、SPOTIFYで音楽を、YOUTUBE心筋梗塞の勉強や落語を聴いていた。読書は、ウェイリーの「李白」(岩波新書)、永井荷風の「ふらんす物語」(新潮文庫)、菊池ひと美の「花の大江戸風俗案内」(新潮文庫)を読んだ。「李白」は、漢詩の英訳も載っていて、なかなか味わい深い。「ふらんす物語」は、荷風がフランスにほれ込んだ理由が散文詩のように書かれていて、これまた味わい深い。「花の大江戸風俗案内」は、江戸庶民の着物(古着)に対するこだわりがわかって面白い。江戸には侍から商人、職人にわたり単身男性が多く、吉原通いや私娼を買ってうっ積を晴らしていた様子が見て取れる。

今回の言葉は、2週間の入院生活を踏まえて、老子を選んだ。人間の身体は、うそをつかない。痛められていた部分は、病という結果になって現れる。身体を柔軟に保つことが、健康の秘訣になることを思い知らされた。