入院体験記その2

痛めた心臓に負荷をかけて、心臓のリハビリをやっています。心筋梗塞をやる前から、平衡感覚が悪く、真っ直ぐに歩くのに苦労していました。今やっているリハビリは、かべに手をついて、腱を伸ばしてせり上がる運動と、スクワット運動です。バランスをとる運動は、足を縦にそろえて静止する運動、足を抱える運動、腹筋、背筋の運動です。一番きくのは腹筋運動です。とにかく時間が余って、何をするのか考えながら暮らしています。飽きてくると病棟の廊下を周回しています。体の方は、順調に回復している感じです。

入院体験記その1

4月9日深夜に心筋梗塞の症状がつよくなり、救急車で搬送後、カテーテル治療を受け、一命をとりとめました。心筋梗塞の胸の締付けがどういうものか初めてわかりました。そういえば、2、3週間まえの散歩のときも、軽い締付けを覚えたっけ。自覚症状は助かった後で気づくもの。冠状動脈の血が止まると心臓の筋肉が壊死して再生されないこと。これも初耳でした。生き延びるためには、冠状動脈の梗塞を起こらないようにすることしかない。脳梗塞の心配から、脳MRTも2回とり、何もないことを確認しました。今はリハビリを進めていて、社会生活への復帰に向けて訓練中です。血液サラサラの薬を投与して、頭痛の副作用と格闘しています。血流がよくなっていいこともあります。足の爪がが黒かったのに、今は透明になってきました。冷たい足が温かさをもってきて、カサカサだった皮膚も湿り気を帯びてきています。これから、自分の体がどうなっていくのか、じっくり観察を続けたいと思います。幸運が重なり生き延びれたことに感謝です。

 

TaoChat@1221編集後記

メルマガを発信した土曜日は、花見に出かけ時間がとれなかった。公園の桜は満開で、桜祭りのようなイベントもやっていた。ということで、ブログ書きは今日に持ち越された。この一週間のニュースは、台湾東部地震が一番大きい。昨年11月に台湾を訪れたばかりで、ビル倒壊の映像を見ると他人事ではいられない。被災者の方々には、心よりお悔やみ申し上げます。もう一つは、紅麹サプリの腎臓障害の事件。製造工程で、腎臓障害を引き起こす可能性があるプベルル酸が混入したことまではわかった。どうしてそんなものが混入したのかはまだ不明である。さらに腎臓障害との因果関係となるとますます解明に時間がかかる。TVや新聞でサプリの広告はさかんに行われているが、ほとんどは機能性表示食品と呼ばれ、政府はその効用に一切関知しないという類の製品であることがわかった。特保だと、認可のために検証データが求めれるが、機能性表示食品はそれが要らず、個人の感想で十分ということだそうだ。サプリを飲むくらいなら、普段の食事の栄養に気をつかえということになる。この事件を期に、機能性表示食品の正体が自分的には明らかになった。機能性を売りにするなら客観的な検証データを出さないとまずいが、個人の感想ですむので、どの企業も争って機能性表示食品のサプリを発売する。これが現状のようで、企業の宣伝文句にたやすく乗らないほうが安全である。

今回の言葉は、李白の詩を取り上げた。花見の季節にちなんで、山中の花見を想定した詩を選んでみた。のん兵衛李白の言葉がそのまま詩に現れている。私自身もお酒が好きなので、李白の気持ちがよくわかる。酒を飲むと、抑制されていた心の部分が解放されて、気持ちが大きくなる。時として大柄な口をたたき失敗することがあるのは、落語でもよく見られる光景である。自分もその経験がないわけではない。それでも、酒飲みは、失敗を繰り返さないように、理性を保ちつつ心を解放しようとする。のん兵衛にとって、酒は最高の機能性表示飲料になっている。

TaoChat@1220編集後記

今日はよい天気となり、満開とはいかないまでも、桜も二三部咲きそうな気配である。

中央公園の桜を見に行こうと思う。この一週間のニュースは、何といっても尊富士の優勝である。2敗こそしたが、足の怪我をおしての優勝は見事である。14日目の取り組みで足を痛めたときには、もうだめだと思った。足を引きずって退場し、4時間も病院で手当を受けた報道があったので、気合で出ても満足な試合運びはできないのではと心配した。ところがどっこい、結果は足をかばいつつ、押しの一手で優勝を勝ち取った。まだまだ伸びしろがあるので、来場所の活躍を期待したい。プライベートの一週間は、月曜から息子の家の犬をあずかり、我が家は3人家族になったような感じである。犬の散歩では、いろいろな発見がある。犬は散歩が好きである。そのときに排便と排尿ができるのと、自分のおしっこで縄張りを示すことができる。鋭い嗅覚で、他の犬の匂いを嗅ぎつつ、自分の縄張りのマーカーを上塗りする。視覚や嗅覚で他の犬の存在を知ると、そちらに近づき、互いの匂いを嗅ぎながら、交友(?)を深める。友というより、互いの存在感を確認するといったほうがよい。この2日間は、寝室で犬と一緒に寝た。毛布の上の居心地がよいらしく、朝まですやすやと寝ている。家内でそそうをしたことは一回もなく、散歩が毎日欠かせない。読書の方は、二葉亭四迷の「浮雲」を読みおえ、永井荷風の「ふらんす物語」に移った。お勢の気持ちは最後までよくわからなかった。むしろ主人公文三の彼女の振る舞いの観察と彼女に対する気持ちの変化を楽しむ小説といえそうである。

今回の言葉は、荘子よりいただいた。きつかけは、諸橋轍次氏の「荘子物語」をぱらぱらめくっていて、養生は天につかうるの道の章でこの言葉に出会ったことである。老子にも同様の言葉は出てくるが、荘子は帝王と仙人の会話なので、物語として読めるのがうれしい。西洋のことわざとの違いが出ている言葉だと思った。心に災いするのは身体というのが西洋だが、身体に災いするのが心だというのが荘子であり、東洋の仏教である。どちらも真理だが、長生きに影響するのは心であるのは間違いない。心が病めば、長生きできる人間であっても、自ら命を絶つ。重病にかかっても、心さえしっかりしていれば、天寿を全うできる。

TaoChat@1219編集後記

今日は春雨の一日となりそうだ。といっても今は昼過ぎなので、午後の予報を見て言っている。メルマガ原稿を書いているときは、空を見ていて、そうなりそうだと予想して、蕪村の句を今日の言葉に選んだ。寒さも収まらず、ヒータをつけて過ごしている。

この一週間のニュースは、何といってもスポーツ界の話題である。一つは、大相撲の尊富士の活躍。新入幕でいきなり全勝街道を進み、豊昇龍に負けはしたものの、現在12勝1敗と優勝に王手をかけている。思い切りのよい相撲で見ていて気持ちがよい。今日の取り組みが楽しみである。もう一つは、ドジャーズ大谷選手の専属通訳の違法賭博事件である。何があったのか不明だが、とにかく大金を持っている人間にアリがたかるのは事実である。宝くじをあてた人間に、たちまち儲け話を持ち込む人間がアリのように集まるのは世の常である。大谷さん直接に持ちかけるのは難しいので、その周りの人間を口説き落とそうとする。今回はそんなケースだったのではないか? とにかく、脇が甘いとつけ込まれるのは確かである。とにかく周りの人間は、大谷さんを巻き込むのだけは慎んで欲しい。この件は、関係者はノーコメントで通しているのは理解できる。

プライベートの一週間は、「浮雲」を読み進めている。お役所を解雇になった文三が職探しに苦労している段階まで進んだ。お役所の同僚だった昇は、課長に再就職の口利きをしてやるというが、文三は昇の言動が信用できず、申し出をはねつける。さてその先はどうなるのか、話が待ち遠しい。言文一致体とはいうが、どうしても落語のような語り口に聞こえてしまう。それに文三の下宿屋の娘、お勢の本心が、語り口からはよくわからず、ミステリアスな女性に見えるが、これからどう反応するのか気になる。

メルマガの言葉は上で述べたように、蕪村の句である。春雨の天気が選ばせたといってもよい。蕪村が生きた時代は、スマホやテレビや車はなく、春雨が振り続ければ、家で缶詰になる。一日はきっと長かったに違いない。今日も暮れようとするときに詠んだ句のようである。退屈だったわけではないが、これといったこともなく過ぎてしまった。そんな一日であっても、天気の記憶だけは残っている。それを今日もありと結んでいる。春の代表的な天気もまた味わい深い。3月は、雨が降ったり、風が吹いたり、花粉が飛んだり、眠かったりで、頭の中ではまだ季節の切り替えができていない。そのような体感を蕪村に感じてしまう。桜が開花する前の準備期間であるようだ。

TaoChat@1218編集後記

老荘思想にまつわる言葉を毎週土曜日に、老子小話と題してメルマガを発行している。老子小話は、TaoChatとニックネームで表現している。もうかれこれ、23年以上続いている。毎週欠かさず、といってもお尻の手術で入院している期間は配信できなかった。お尻といっても大腸がんではなく、肛門の近い部位の手術である。若い頃から痔に悩まされ続けてきたが、それが化膿してどうにも我慢できなくなったので、手術することにした。幸いなことに再発はなく、何とか無事に過ごせている。この無事というのが最高の幸せだと身をもって感じている。今回のメルマガで取り上げたのも、老子の無事の言葉である。この1週間のニュースは、何といっても、東北大震災の13年目の追悼である。あの日のことは今でも忘れられない。震災が起きてから、自宅にたどり着いたのが10時近くだった。車通勤をしており、帰宅の車で道路が渋滞していたからである。あの地震が東京直下なら、日本は沈没していたに違いない。福島原発の電力は東京に送られていたのだが、原発事故で今なお苦しんでおられる方がいることを忘れてはならない。原発を首都近郊に作らない理由は、放射能汚染で首都が壊滅するのを防ぐためと言わざるを得ない。どんなに安全神話を唱えようと、腹の底ではそれが覆る可能性を信じている。行政のやり方は、誰を犠牲にするかを先ず決め、犠牲に対する埋め合わせを考える。マイナスの後のプラスで帳尻を合わせようとする。福島原発放射能汚染物質の処理は、福島県内で帳尻を合わせることになった。13年経っても、傷跡はなかなか癒えない。プライベートでは、ポール・オースターの「偶然の音楽」を読み終え、二葉亭四迷の「浮雲」を読み始めました。この「浮雲」は、メルマガTaoChat@1215で取り上げた論語の言葉からの連想です。論語における「浮雲」は、どうでもよいような代物ですが、二葉亭四迷にとっての「浮雲」は果たしてどんなものかを知るため、読み始めました。原文一致体で書かれたので、江戸弁丸出しの口調で書かれているので、まるで落語を聴くような気持ちになります。しかし、心情は今の人間でも共感できるので、違和感なく読み進んでいます。

今回の言葉は、老子よりいただきました。事が大きくなる前に、早めに手を打つというのが主題です。事が大きくなってしまうと、打つ手も大きくなり、それが功を奏する可能性も減ってくる。事が小さいうちに手を打てば、大げさな手も不必要になる。老子は、ささいなことが重要という。日常の何でもないことに重要さが隠されているという。日常茶飯事のなかにヒントが隠されている。その宝のヒントを見過ごすことが、ことを大きくすると警鐘を鳴らす。どんな病気にも自覚症状はある。自覚症状は身体の悲鳴といってよい。その悲鳴を聞き逃すと、事が大きくなり取り返しのつかないことになる。そんなことを感じさせる言葉でした。老子は反語的な表現を使いますが、そこには無事で無味な日常茶飯事こそがヒントの宝庫だといつも唱えています。

TaoChat@1217編集後記

昨日の雨は上がり、今日は朝から日が射している。春の天気は、三寒四温というように、温かくなったり寒くなったりを繰り返すといわれている。春の嵐は、その合間に、風雨や降雪を伴う。まさにその天気を経験している。今日は散歩に出かけよう。

今週のニュースは、結婚発表した大谷さんのご相手が判明したことでしょうか。元女子バスケ選手ということで、大谷さんが高身長なので、それに見合う方を選んだということは頷けます。二人並んで歩くと爽快で、世界中どこに行っても、なかなか素敵なカップルに見えます。本当におめでとうございました。この一週間のプライベートなニュースは、強いて言えば、歯医者通いが続いていることと、通勤でポール・オースターの「偶然の音楽」を楽しく読んでいることです。電車で紙の本を読んでいる人間はほとんどいませんが、1時間の通勤では、読書が唯一の楽しみになっています。白内障の手術を受けてからは、老眼鏡の必要はなくなったのが、大変助けになっています。読書をしても眼が疲れず、1時間を有効に活かせています。

今朝は3時に眼が覚め、たまたまYouTubeで、孟浩然の「春暁」を聞き、これをメルマガの言葉に選ぶことにしました。クラブツーリズムのワン(王)さんがやっている、「漢詩の時間」です。この動画はすぐれもので、中国語と日本語で朗読し、詩の解説と詩人の解説を同時にしてくれるので、楽しく聞いています。漢詩には、人間として共通の思いが表現されているので、なかなか味わい深いものがあります。「春暁」は特に漢文の授業でもやったもので親近感があり、若い頃読んだ印象と、老いてから読んだ印象は異なり、より感慨をもって読むことができるようになったと思います。中国語で読むと韻がわかりより詩らしくなるので、YouTubeは宝物になっています。「春暁」の内容は、孟浩然が経験した春と、同じ春を持つ人間でないと理解できないと考えます。つまり、同じ気候帯を持つ日本人にも同様の春が与えられ、感覚的に「春暁」の春を理解できるのではないでしょうか。