TaoChat@1110編集後記

今朝はうす曇で寒い。昨夜、カーリング準決勝を見ずに寝てしまったことを後悔している。一度負けたスイスを下して決勝に進んだのは驚きであります。試合中の選手の様子をニュースで見ましたが、明るく前向きに試合を楽しむ姿勢に感動を覚えました。決勝の英国戦は見逃さないようにします。

この一週間は、高木美帆選手の1000メートル金の試合で盛り上がりました。優勝して本当にうれしそうな顔を見せてくれました。満身創痍だったけど、やはり日頃の練習の成果が結果になってあらわれたようです。最後までスピードが落ちずに走り抜けたように思います。

今回の言葉はゲーテからもらいました。新潮文庫の「ゲーテ格言集」は大分昔の本ですが、変色しつつも読み返すと何度も発見があります。同じ言葉でも、自分の経験が詰まれると、味わいもその都度変わります。本の読み方も変ります。入院中に「ガリバー旅行記」を読み始めました。新潮文庫ではなく、角川文庫のほうです。子供のころ絵本で読んだことはありましたが、4篇を文字で読むのははじめてです。TRAVELS INTO SEVERAL NATIONS OF THE WORLDという長たらしい題です。小人国、巨人国、YAHOOも日本も出てくる物語です。荘子のスケール感にちょっと似ています。自分が虫と同じサイズになったり、巨人になったりしたときに、どう生活が変り、どのように周り見つめ、どのように周りから見られるのか、相対的に価値観が変化するさまをシミュレートできる楽しさを与えてくれます。話を戻すと、ゲーテの言葉は、正しさと不正も相対的であることを教えてくれます。法律という物差しで計るのが法治国家です。しかし、物差しの使いかたを誤ると、思わぬ悲劇をもたらします。それくらいなら物差しを無視するほうがまし。中国においては、ちょっとした自由民権の行動が、密告され国家転覆罪で処罰される危険がある。香港の問題もウイグル地区の問題も、自治区が持っている自由民権を維持しようという活動が、国家の秩序を侵すと判断される悲劇を生む。過去にあった大逆事件もそうだったなと思いを馳せました。その後の思想弾圧事件も、すべて国家転覆の目論見と捉えられると、国民はもう何も言えなくなり、国家は破滅まで暴走する。それを教えてくれたゲーテの言葉でした。