TaoChat@1002編集後記

朝方どんより曇っていた空が、今は日が差すほど、青空が見える空に変わっている。

沈んだ心がいつの間にか明るくなるような、心の状態に似ている。

時間が経てば気が晴れるように、あまり落ち込まないことである。

今回の言葉はゲーテからいただいた。

最上の政府は何か?

生活の不安を取り除いてくれる政府が最上と考えがちである。

期待できる政府にわれわれは投票するのが民主主義だ。

さらに、政府を選んでも期待通りにならないのが民主主義である。

ゲーテは、政府に期待するのは止めようといっているようだ。

逆説的に、われわれ自身がしっかりしないと生活はよくならないと教えるのが最上の政府という。

頼りにならない政府が反面教師として、われわれに自分がしっかりしないと救われないよと教えてくれる。

どっかで聞いたことのある考えだと思ったら、福沢諭吉先生の自主独立の精神ではないか。福沢先生が慶応義塾大学を創立したのも、明治政府の欧米追従型の教育制度に反発したからである。海外の文化や技術をそのまま輸入するのではなく、日本国が独自の文化を構築するために何をしなければならないかを独自の教育で追求する思いが先行した。

国民自身が自主独立して国の有るべき姿を模索せずに、国家の独立はありえない。

そう考えると、戦後の教育や民主主義、そして憲法は、米国から押し付けられたものである。安全保障まで丸投げであった。

日本の国民性というのは、自由は政府から与えられると考えているところからきているようだ。ゴーンさんの国外逃亡は、自由は自分でつかむという自主独立の精神に基づく。法を犯してもそれをやり遂げたということが、日本国民の反発を招いたようだ。

国を変えるには、国民が自主独立になるのが基本である。

イギリスがEU離脱したのも、英国民の自主独立精神の表れである。

日本が自民党の長期政権を容認し、国を変えられずにいるのも、国民の自主独立精神の希薄から来る。そもそも、アマゾンやグーグルのような巨大ベンチャー企業が生まれないのも、国民の自主独立精神の希薄から来る。

ゲーテの言葉は、この日本の閉塞感を打破するには、政府をあてにしていてはダメで、自分が自主的に動かなければ国はよくならないことを教えているようだ。

イギリスのEU離脱も、よいほうに転ぶか悪いほうに転ぶかわからないが、少なくとも、自分たちが自主独立の選択をしたことは間違いない。

果たして、日本が安保から自主独立できるかと問われれば、それができるのは、米国の国力が衰退して、中国が台頭したときであると思われる。

外圧が日本の歴史を変えてきたという歴史がそれを裏付ける。