TaoChat@1055編集後記

今日は天気がよい。昨夜夜空に見た満月の姿が印象に残っている。

その姿を見ながら、雲のない空だからあんなに奇麗に見えるのだろうと思ったことを思い出した。今日の天気にはその予兆があったと、あとで気が付く。

予兆に気が付くか気が付かないかで、あとの対策の難しさが変ってくる。農家の方は、嵐が来ることを前の日の予兆で知る事が出来る。予兆に対する感度は経験を積むことで増してくる。最近仏教の因果の教えに関心を持つようになった。因は直接的な原因で、縁という間接的な原因が加わり、果という結果をもたらす。予兆に気が付くというのも因の一つと思う。ガンの自覚症状があったにも関わらず、放置したために手遅れになる。体から来る赤信号に耳を澄ませて、謙虚に対応しなければならない。身の回りの不思議な現象には必ず原因があり、その原因に気が付くと、今後の生き方が変ってくる。それが仏教の教えというものと思われます。

今回の言葉はまたも老子からいただきました。この言葉はこれまでも何回も取り上げているように思います。恐らく好きな言葉なのでありましょう。

道の動きは反で働きは弱。反の動きはまさに水の動きと同じ。ですから上善は水のごとしという。水は低き所から蒸発して気体となって天に昇り雲になる。雲になって風に運ばれ、雨となって大地を潤す。低き所から高い所に昇り、また低き所に帰る。何もしていないようで、大地に生命を与える働きをする。しかも目立たず、絶え間なくその働きを続けている。水は液体から気体に姿を変え、また液体に帰る。

ここで水をお金と考える。お金が家でタンス預金されているのは、水が氷になって動かない状態で経済は冷え切る。お金が液体のように流れ始めると、経済が回り始め、景気がよくなっていく。家のお金が消費に回り、その金が収入として家に戻ってくる。それが道の働きというもの。その働きを阻害している要因を分析して手が打たれていないのが現在の経済政策になる。中国ではデジタル化が進み、消費に弾みがついている。日本はデジタル化が遅れ、回るお金も回らなくなる。何故デジタル化が遅れたのかの反省もせずに、日銀はお金だけをどんどん市場に流し、凍ったお金を作り出している。ここまでいうと愚痴になるのでやめにするが、現状のデジタル化の遅れは、過去何十年の経済政策の失敗に因をもっているということになる。コロナ対策の遅れも、過去何十年の政治の失敗に因をもっているということになる。因を変えないと同じような果が続くというのが仏の教えである。