TaoChat@1091編集後記

秋の季節は頭が一番働くという印象を持っています。空気が澄んでいるというか、息をしているだけで、肺の汚れを洗い流してくれるような思いさえ抱く。円覚寺横田老師の講話を寝床の中で聞き、深呼吸すると気持ちがすっきりするのは、秋の空気のせいだと勝手に思い込む。

この一週間のニュースは、緊急事態宣言あけの一週間であり、ノーベル賞発表の一週間でもありました。東京駅の混雑ぶりも眼に見えて増してきた。昨日朝は、関東の地震明けの通勤電車は超満員の過密電車となり、4時間半かけて茅ケ崎から東京駅までたどり着きました。何故か換気をしていないので、誰かコロナ感染していたら、たちどころ感染するだろうなと恐々としていました。

ノーベル賞のほうは、物理学賞で日本人だった真鍋淑郎氏が気象モデルの研究で授賞されました。地球温暖化を50年前に予測したことは、そのころのコンピュータは性能も低く、簡単なモデルで計算しても本質的なことは導き出せることを示した意味で素晴らしいことだと思いました。地球物理があらためて評価されたという意味でもすごいことだと思います。というか、ノーベル賞が、受賞者の推薦に大きく左右される性格をもっており、授賞領域に偏りが生じるのは避けられないので、関連領域以外の人の意見も聞く事が必要だと思いました。あと岸田内閣が発足したのもこの一週間でした。

今回の言葉は老子でした。この言葉はこれまでも何回か紹介したと思います。

岸田首相の所信表明を見ながら、これまで自民党が放置して、ことを難問題に変えてしまった、少子高齢化や、経済低迷や、コロナ対応といった問題に対する応急処置だなという印象を持ちました。なぜ放置されたのか根本の問題への対策がなされていないのです。コロナ感染一つとっても、都会での人口過密が感染者が増大し、その人が地方にいって感染の輪を広げるという、一極化が根本問題でした。堺屋太一氏が提唱した、道州制は地方を活性化する秘策で、そのためにデジタル化を推進して、どこでも仕事が行なえる環境を作る事が、何十年もの課題でした。今やっと、デジタル庁なるものを作って、先進国中最後尾にいるところからスタートする始末です。日本のスマホメーカーが瀕死の状態にあることもデジタル化の遅れの象徴的なことでしょう。真鍋氏が日本では研究はできないと言ったのも、こういう変われない社会を指摘したのだと思います。の原因が何かは、日本人の選択した、変われない政府を自らが望んだということに尽きると思います。宮台真司氏いわく、腐りきった社会はとことん落ちて、そこから出直すしかないに尽きるようです。