TaoChat@1020編集後記

やっと緊急事態宣言が解除された。

学校教育を再開できたのが、せめてもの救いである。

毎日市民公園に散歩に出かけるが、子供たちが遊んでいる姿を見ていると、ほんとに勉強しているのかなと思ってしまう。宿題は出ているそうだが、教室での授業と比較すると気分の緩みは大きいと思う。リモートワークにしても、職場にいるのと自宅にいるのとでは、緊張感が違う。大人も子供も、そこらへんは同じだと思う。

仕事はマイペースでできるが、教育はマイペースではうまく行かない。一対一の個人教育なら効果は上るが、教室での教育で学ぶことは大きい。カリキュラムの内容以外に、いろんな能力を持った生徒とのコミュニケーションで学ぶことも大きい。

勉強ができるのと、人間的な面白さを養うのでは、話が全く別である。

今回の言葉は、スティーブ・ジョブのスピーチから選んだ。ジョブズの英語は切れがある。ぐさりと心に刺さる。そんな彼が米国超有名大学の卒業生に語りかけている。

Connecting the dotsという言葉も印象的である。これまでの人生の各所でdotsを打ち込んできて、ある時間が経過して、それが線として結ばれて像を形成する。

打ち込んでいるときは、それが将来どのように活きてくるかわからない。しかし、そのdotsを打ち込むときは、今日が最後の日と思って打ち込む。それがあって、輝かしい像が結ばれる。今回の言葉は、打ち込むときの姿勢を語るようだ。

HungryもFoolishも禅にとって象徴的な言葉である。

知も血となる栄養も欠如している状態がHungryでありFoolishである。

一言でいえば、ゼロからの出発である。裕福な学生の多い、スタンフォード大学の学生に言っても、どれだけの学生が彼の言葉を理解したかは疑問だが、お前らゼロから出発しなければ、大事業は起こせないと、大学を中退したジョブズがくぎを刺しているのが素晴らしい。dotsを打ち込むときは、心身を空にして打ち込まないと、dotsはそのうち消えてしまう。後でconnectingして像を結ばない。

そんなスピーチをするジョブズは、Bill Gatesよりはるかに勝る人間的な魅力を持っている。