TaoChat@1023編集後記

今日は天気がよく気持ちがよい。

この一週間の出来事は、選挙活動で多額の現金で買収事件を起こした、元法務大臣の夫婦が逮捕されたのが印象的だった。安倍首相が任命した元法務大臣が女房の選挙活動で買収行為を指南し、女房の選挙運動に安倍首相が応援に駆けつけ、通常の常識を超えた選挙資金を投入した自民党。この国の政治が腐りきって、膿が出てくる出てくる。

首相は任命責任を痛感すると毎度言うが、責任をとって辞めたことは一度もない。

膿が出ようが、辞めろといわれようが、最早なりふり構わず、責任放棄でやりきるしかないと本人は思っているようだ。

まあ、日本をよくするのは政治家ではなく、国民の良識であることは、今回のコロナ対応で明らかになった。

こんな現実から離れ、今回の言葉は、「海からの贈物」から選んだ。

この本は10年前に読み、本棚に眠っていたのを取り出して、ページをめくった。

女性の生き方を考えさせる本でもあるが、女性の視点から老荘思想を見直す本とも言える。また女性だけでなく、一人の人間として、人生を豊かに過ごすためのヒントも与えてくれる。

50年以上も前に書かれたエッセイであるが、今なお、生き生きとした言葉があふれている。なかでも、人生に豊かさとうるおいを与えるのは、未知のものだという。(文庫本119ページ)われわれが自分で選ぶものは、好みにあったもので、未知の発見はない。

未知のものは、われわれに不快感や落胆をあたえるものもあるかもしれない。

しかし、それが人生を豊かにしてくれる。

新型コロナもわれわれが選んだものではない。向こうからわれわれに降りかかった未知のウィルスである。

しかしそのウィルスがわれわれの生き方に及ぼした豊かさは計り知れない。

そう思うと、この本の含蓄は一層増してくる。

本は新たな意味をわれわれに気づかせる、「海からの贈物」かもしれない。