TaoChat@1022編集後記

今週を振り返ることで、時間の経過を確かめる事が出来る。

メルマガでも取り上げた、ズーム社への中国政府のアカウント削除要請をズーム社が受け入れたニュースが印象に残った。香港の民主化運動を抹殺する準備を着実に行なっている中国だが、中国で事業を行なっている米国IT企業に対し、国外の反政府運動に加担しないように圧力を強めているのは見逃せない。

中国で商売する以上、中国共産党の意に反する国外の活動に協力することは許さないという強気の姿勢をとり始めているのは、アフタ-コロナの特徴かもしれない。アメリカの経済力が落ち込んだのを契機に、世界で存在感を増してきたのが中国である。

日本ですら忘れている人が多い、天安門事件を振り返る活動を妨害しようとする中国政府の民主化への忌避は今後ますます強まるように思われる。香港民主化運動への弾圧ももうそこまでやってきている。香港が落ちれば、次は台湾であるのは眼に見えている。ロシアのクリミア侵攻と同じように軍事行動は一気にとられるので、誰も止められない。特に中国への経済依存度が増している欧米は、見て見ぬふりをする可能性は高い。

ぶっそうな話はここまでにして、今回の言葉は老子である。

いわゆる衆愚政治のすすめであるが、民主主義を採らない、共産党独裁国家ならではの衆愚政治が現代にも生きている。インターネットが経済活動を後押しするので、国民を知識から全く遠ざけるのは得策ではない。共産党政治を脅かす知識や情報だけを徹底的に排除する。活動家をある日突然拘束して、その後の安否はまったく公開されない。

活動家が始めから存在しなかったものとして扱う。天安門事件と全く同じように。

老子の時代はインターネットなどない。情報は人伝いに伝播される。

小さな国に分割し、その中で知足の生活が保障されれば、大量の情報が飛びかうことがない。そんな国を老子は理想の国とした。

他国の情報と自国を比較し、もっと豊かな土地を確保しようと隣国と戦う。そんな交戦意欲を老子は恐れる。

今の中国は、多くの民族と国民を皆自国に取り込もうとするから、共産主義というイデオロギーで国の統制を保とうとする。そのために民主化思想を排除する。

統制のために民主化の自由を排除する。習近平が現代中国の秦の始皇帝であり、焚書坑儒がネット監視であり、今回のズーム社へのアカウント停止要請である。

歴史はある意味繰り返される。