あんなに暑かった夏が終わろうとしている。
昼の長さは確実に短くなっている。
5時には明るかかった朝は、今は薄暗い。
夕方6時になると、すでに薄暗くなっている。
昼の暑さも秋の涼しさを含み、過ごせない暑さではない。
季節は廻るという実感がわく頃合いである。
今回は、墨子の言葉を選んだ。
墨子は兼愛の思想と呼ばれる。
キリストも、隣人を愛せよというが、墨子の兼愛は、家とか国家とかの枠を超えて、相手を愛し、相手の役に立つように動けと教える。
天の慈愛にならって兼愛思想を広げると、人間存在の限界を自覚でき、その限界を超えるためにお互いの信頼も育まれるという。
今世界全体が自国ファースト、社会全体が自分ファーストになりかかっている。
自力主義というか、自分の力を過信する風潮がある。
天の慈愛は、その過信を突き崩す天災によってもたらされる。
核戦争で人類が滅びる前に、環境破壊により天の慈愛を受ける道を自ら閉ざすことで、人類は滅びると思われる。
自分ひとりの力なんて、ちっぽけなよりどころである。
地球規模の兼愛の浸透によって他力を結集し、環境破壊という大問題に立ち向かうことができる。
墨子の言葉は天からの温かいメッセージである。