TaoChat@1154編集後記

全国的に寒さが厳しくなった一週間だったが、今日は天気もよく風もなく、穏やかな一日である。街に出てみると、クリスマスの前日なのか、フライドチキンやケーキを売る店に客が列を作っているのを見かける。若い頃はクリスマスになると浮き浮きしていたが、歳をとってくると、どうでもよくなる。ウクライナもロシアにクリスマス休戦を持ち掛けたが、ロシアにはそれに応じる余裕はないようだ。はやく無謀な侵略を止めれば、ロシア国民も暖かな気持ちでクリスマスを祝えるのに。ロシア国民はいつまでプーチンの狂気に付き合うつもりであろう。この一週間の出来事は、地元茅ケ崎の殺傷事件は、容疑者の自首で全貌が見えてきた。当初犯行の動機が全くわからず、無差別殺傷の恐怖におびえていた。自供によると、容疑者は被害者が所有する住居の住人で、家賃の滞納のため、被害者から住居の退去を命じられたのを恨みに犯行に及んだようです。落語には、家賃滞納した長屋の住人の話があるが、住処を追い出されるとなると大家に慈悲をお願いするのは人情になる。現代は大家さんは不動産業を営んでいるので、契約書に基づき立ち退きを請求し、裁判所に裁定を求める。落語の大家さんのようなわけにはいかず、怨恨の標的になる場合もある。この事件を見ていて、どんなささいな事業も怨恨を残すと悲劇を生むことを教えてくれます。怨恨を無くすには、ひとの気持ちを大事にすることしかない。

メルマガでお届けした、今回の言葉は「菜根譚」から選びました。この言葉は、ある年齢に達しないと理解できないかもしれません。今ある自分を振り返り、自分の生い立ちを鑑み、祖先の恩恵を肌で感じることが必要です。祖先は、自分の親であり、その親の親であり、もっとたどれば、日本の歴史を作ってきた祖先でもあるわけです。こういう私もいずれ死に祖先となり、その子孫の幸福は、われわれの世代が残すものの恩恵あるいは害悪の影響を受けて達成されていく。今われわれが選択すべきことは、今の生活さえよければよいという選択ではなく、将来の子孫が暮らしやすい日本に導く選択でなければいけないということです。地球環境を考えると、化石燃料に頼らないクリーンエネルギーに重きを置いたエネルギー政策をとらねばなりません。ロシアによるウクライナ侵略で、エネルギーコストが高騰し、日本政府は原発回帰の方向転換をとろうとしています。福島の原発事故で放射能の怖さを身に沁みたわけですが、老朽化した原発の運転期間延長や新規原発増設などの方針に方向転換するという暴挙を年末の慌しい時期にどさくさまぎれに進めようとします。岸田内閣は、なぜ大事な課題を国民のコンセンサスを得ずに強引に切り抜けようとするのでしょうか? そこに安倍元首相のアプローチに倣った、この内閣のあやうさを見て取る事ができます。