本を読むこと

最近の新聞に、ひと月に本を一冊も読まない人が60%もいるとのアンケート結果が出ていた。電車に乗っていても、周りにスマホにくぎづけになっている人が多い。

読書する時間がないのではない。

本を読まない人は、長い文章がそもそも読めないと思われる。

長い文章に遇うと、何を言っているのか、わからないのである。

従って、本に拒否反応を示す。

本を読むというのは、文章を頭の中で再構成し、状況を映像として再現することである。

誰(何)が、何処で、いつ、何をどうしたというのが文章である。

その文章の連続が、登場する人やものが入れ替わり立ち替わり変化して、物事が流れていく様子を表現する。

その流れの中で、人がどういう感情や思いを抱き、それらに反応していくのが、物語である。

本を読むというのは、字を目で追って、映像を頭に描く訓練をしていることである。

本を読まない人は、本を読めない人であり、直接的に目に飛び込んでくる映像がすべてと考える人だと思われる。

本を読む人は、映像を文字にして再構成する能力も鍛えられる。

本を読まない人は、映像を言葉で伝える力もない。

誰(何)が、何処で、いつ、何をどうしたという、文章の構成ができないからである。

本を読む訓練は、こどものうちからやっておかないと、取り返しがつかない。

文盲は、話せるが、読めず書けない。

本を読まなくなると、文盲に近づいていく。