TaoChat@976編集後記

今回の言葉は、谷川俊太郎さんの詩から拝借した。

「闇は光の母」という詩である。

聖書の創世記も、光あれで、この世界が始まっている。

老子では、一から二を生じ、そこから三を生じている。

一が万物の母たる、無である。

寝る前に、谷川さんの詩集をぺらぺらめくって読んでいる。

詩はことばが短いので、そのまま寝ても、短い言葉が夢の中に意識を運んでくれる。

ピーターパンが、ワンダーランドにウェンディたちを連れて行ってくれるように。

「闇は光の母」という詩は、お気に入りの詩となった。

老子のフレーバーが漂う、愛の詩である。

この愛は、宇宙の愛である。

宇宙は光を生んだが、宇宙を生んだ闇たる母の愛である。

母の子宮から生まれてきた自分も、闇から生まれた光である。

しかし、光の中には常に闇を抱えている。

恨みだったり憎しみであったり、悲しみであったり、絶望であったりする。

闇のない人間はいない。

闇は復讐や犯罪のもとになるが、闇の愛を感じることで、闇をプラスのエネルギーに変える事ができる。

闇があるから、光がありがたく感じられる。

甘やかした子供は光を当然だと思い、光に有り難さを感じない。

厳しく育てられた子供は、心に闇を持つ。

闇を抱えつつ、闇を光のもとと考える。

闇は無ではないゆえんである。

これが自然の教えに従った生き方となる。