今回の言葉は、谷川俊太郎さんの詩から拝借した。
「闇は光の母」という詩である。
聖書の創世記も、光あれで、この世界が始まっている。
老子では、一から二を生じ、そこから三を生じている。
一が万物の母たる、無である。
寝る前に、谷川さんの詩集をぺらぺらめくって読んでいる。
詩はことばが短いので、そのまま寝ても、短い言葉が夢の中に意識を運んでくれる。
ピーターパンが、ワンダーランドにウェンディたちを連れて行ってくれるように。
「闇は光の母」という詩は、お気に入りの詩となった。
老子のフレーバーが漂う、愛の詩である。
この愛は、宇宙の愛である。
宇宙は光を生んだが、宇宙を生んだ闇たる母の愛である。
母の子宮から生まれてきた自分も、闇から生まれた光である。
しかし、光の中には常に闇を抱えている。
恨みだったり憎しみであったり、悲しみであったり、絶望であったりする。
闇のない人間はいない。
闇は復讐や犯罪のもとになるが、闇の愛を感じることで、闇をプラスのエネルギーに変える事ができる。
闇があるから、光がありがたく感じられる。
甘やかした子供は光を当然だと思い、光に有り難さを感じない。
厳しく育てられた子供は、心に闇を持つ。
闇を抱えつつ、闇を光のもとと考える。
闇は無ではないゆえんである。
これが自然の教えに従った生き方となる。