TaoChat@1203編集後記

12月の陽気にしては、そう寒さを感じない。通勤時もベストとスーツで寒さを凌ぐことができ、コートは要らない。今日も晴天で洗濯物を干して、一日が始まった。一昨日、職場の忘年会があった。コロナのこともあり、この職場に移って始めての飲み会だった。普段口を交わさない人とも話す機会があり、楽しく飲むことができた。木曜の飲みだったので、翌朝4時半起きで電車に乗るのはつらかったが、頭が起きてしまえば、耐えられる。帰宅後、コロナ接種の7回目をやった。今日は7時まで寝られたので、睡眠不測は解消したようだ。この一週間の出来事は、キッシンジャー氏と山田太一さんが亡くなった。キッシンジャー氏は100歳と長生きされたが、日中関係正常化をリードした貢献は大きい。ユダヤ人の率直さは、中国からも信頼できる男とみなされ、歴代米大統領よりも信頼度は高かったようだ。今回のガザ問題のコメントを聞きたかったが、残念である。山田太一さんは、ドラマを見ていなかったので、名前だけ知っていたに過ぎない。創価学会池田大作氏の死も大きい。宗教団体が政党を持っているのは、創価学会だけである。創価学会は昔は、他の宗教を邪宗とよび、勧誘や献金がしつこかったが、今はそのいかがわしさは表に表れていない。池田大作氏のたがは消えて、誰が創価学会をまとめていくのか興味がわくところでもある。プライベートでは、オスカー・ワイルドの童話(幸福の王子)を買い電車で読み、寝床では、江藤淳氏の「文学と私・戦後と私」を読んでいる。ワイルドの童話は、「幸福の王子」は絵本で読んでいたが、訳で読んだのは始めてである。彼の童話は読んでいて、胸が熱くなる。大人向けの童話かも知れない。トルストイの童話と並んで傑作である。江藤淳氏のエッセイの方は、ダーキイという犬との付き合いの話を今読んでいる。彼の文章は読みやすい。文章が短いので、寝床のなかで読むのに適している。

今回の言葉は、忘年会がらみで唐詩をまた選んだ。有名な詩らしいが自分は知らなかった。五言なので、起承転結で進み、酒を勧める理由がちゃんと書かれている。客が来て、大事な金杯を出してきて酒を勧める。杯は大きく、なみなみを注いだ酒を、遠慮せず飲み干してくれという。勧められた客の顔は浮かばないが、迎える主人としては、たっぷり時間をかけて飲んでくれという気持ちを伝えたかったようだ。忘年会の一気飲みとは違う。主人は、久しぶりに会った客と杯を酌み交わす。今年交わした杯を来年酌み交わせるとは限らない。重い病にかかって命を落とすか、急に勃発した戦争に行かなければならないかもしれない。今の時代でも、コロナ感染で落命するとか、ウクライナやガザでの戦いに召集されることがある。それを、花が咲くこともあれば、風雨にさらされることもあると、優しい詩的な表現でまとめる。君と一緒に酒を飲む機会だって、次いつになるかはわからない。だから、いまこのときを大事にしようという。人生は別れに満ちていると究極の思いを客と共有したいという。会社にいたって、明日会社がつぶれるかもしれない、老いた親の介護で会社を辞めることもあるかもしれない。会えるときにできることをする。これが大事な生き方なようだ。