働き方改革法案

働き方改革法案が厚労委員会で強硬採決となった。

高度プロフェッショナル制度が雇用者の視点で決められまずいらしい。

高度プロフェッショナル制度って何なのという疑問を持ち調べてみた。

朝日新聞のサイトによると、「専門職で年収の高い人を労働時間の規制の対象から外す新たな仕組み。年収1075万円以上のアナリストなどの専門職が対象。労働基準法は法定労働時間を超えて働かせる場合、割増賃金の支払いを義務づけているが、対象となる働き手は残業や深夜・休日労働をしても割増賃金が一切支払われなくなる。」

高度プロフェッショナルは、そもそも年収で決まるものではない。

街の大工さんや左官屋さんだって、立派な高度プロフェッショナルである。

この制度を見ると、高い金を払って仕事をさせているのだから、何時間かかっても設定した報酬以上は支払わないということのよう思える。

労働時間が長くなってぶっ倒れても自己責任ということになる。

そもそも出来高払いだから、それも仕方がないかなと思う。

この法律の片手落ちは、労働時間の下限撤廃もセットにしていないところである。

これを指摘する人は誰もいない。

月100時間かかる高度プロフェッショナル業務を月10時間でできても、雇い主は文句を言えないように法律で規定すべきということである。

高度プロフェッショナルは空いた時間を休暇に使ったり、別の会社の仕事に回す事ができる。それを可能にする法律でないと困る。

今の働き方だと、雇い主は、高度プロフェッショナル人材を会社に囲おうとする。

つまり、労働時間の下限を設けて、高度プロフェッショナル人材を社内に拘束しようとする。それを防止することである。高度プロフェッショナル人材の働き方の本質は、できるだけ短時間で目標を達成することにある。

ここで単純なたとえを上げる。鍵師は、他人があけることができない鍵を短時間で開ける高度プロフェッショナルである。依頼した鍵の種類により成功報酬は異なるだろうが、ここでは、一回開けるのに1万円の報酬をもらうとする。

開けるのに1分なら、時給は60万である。1分かかろうが2時間かかろうが、雇い主の客は1万円を払う。鍵師の方は、すぐ次の難易度の高い仕事を探す。

難易度の高い仕事に挑戦すればするほど、技に磨きがかかってくる。

過労死する人は、鍵を開けるのに100時間かかり体力が持たないためである。

高度プロフェッショナル制度の片手落ちは、鍵師が1分で開けたときに、雇い主が鍵師を時間的に拘束しようとすることが可能なためである。他で仕事をされ優秀さがわかってしまうと、もっと高額の報酬で引き抜かれることを防ごうとする。

この時間的な拘束を防止することが、高度プロフェッショナル制度に必要である。

高度プロフェッショナル制度が雇用者にとって都合のいいところだけ決めているのは、都合の悪いところは目をそむけている法律だからだと思う。