TaoChat@1219編集後記

今日は春雨の一日となりそうだ。といっても今は昼過ぎなので、午後の予報を見て言っている。メルマガ原稿を書いているときは、空を見ていて、そうなりそうだと予想して、蕪村の句を今日の言葉に選んだ。寒さも収まらず、ヒータをつけて過ごしている。

この一週間のニュースは、何といってもスポーツ界の話題である。一つは、大相撲の尊富士の活躍。新入幕でいきなり全勝街道を進み、豊昇龍に負けはしたものの、現在12勝1敗と優勝に王手をかけている。思い切りのよい相撲で見ていて気持ちがよい。今日の取り組みが楽しみである。もう一つは、ドジャーズ大谷選手の専属通訳の違法賭博事件である。何があったのか不明だが、とにかく大金を持っている人間にアリがたかるのは事実である。宝くじをあてた人間に、たちまち儲け話を持ち込む人間がアリのように集まるのは世の常である。大谷さん直接に持ちかけるのは難しいので、その周りの人間を口説き落とそうとする。今回はそんなケースだったのではないか? とにかく、脇が甘いとつけ込まれるのは確かである。とにかく周りの人間は、大谷さんを巻き込むのだけは慎んで欲しい。この件は、関係者はノーコメントで通しているのは理解できる。

プライベートの一週間は、「浮雲」を読み進めている。お役所を解雇になった文三が職探しに苦労している段階まで進んだ。お役所の同僚だった昇は、課長に再就職の口利きをしてやるというが、文三は昇の言動が信用できず、申し出をはねつける。さてその先はどうなるのか、話が待ち遠しい。言文一致体とはいうが、どうしても落語のような語り口に聞こえてしまう。それに文三の下宿屋の娘、お勢の本心が、語り口からはよくわからず、ミステリアスな女性に見えるが、これからどう反応するのか気になる。

メルマガの言葉は上で述べたように、蕪村の句である。春雨の天気が選ばせたといってもよい。蕪村が生きた時代は、スマホやテレビや車はなく、春雨が振り続ければ、家で缶詰になる。一日はきっと長かったに違いない。今日も暮れようとするときに詠んだ句のようである。退屈だったわけではないが、これといったこともなく過ぎてしまった。そんな一日であっても、天気の記憶だけは残っている。それを今日もありと結んでいる。春の代表的な天気もまた味わい深い。3月は、雨が降ったり、風が吹いたり、花粉が飛んだり、眠かったりで、頭の中ではまだ季節の切り替えができていない。そのような体感を蕪村に感じてしまう。桜が開花する前の準備期間であるようだ。