TaoChat@1208編集後記

今年は辰年ということで年男になりました。元日に息子家族が家に集まったとき、能登地震のニュースが入りました。茅ヶ崎でも、ぶら下げているシーリングライトが揺れました。その後津波の模様とか、倒壊したビルや家屋の映像が入り、地震のすごさを目の当たりにしました。死者行方不明者の数が日増しに増え、心を痛めています。更に羽田でのJAL機と海保機の衝突事故もあり、今回の言葉に行き着きました。

辰年の始まりは、衝撃的なニュースでいっぱいです。人々に心を引き締めてスタートしてくださいと神様が告げているかのようです。海保機には、能登地震の支援物資を積んでいたので、慌てずに行動せよと神様が申し付けているように思いました。JAL機の乗客・乗務員が全員避難できたことは、不幸中の幸いでした。日ごろの訓練どおり、慌てずに行動できた結果だと思っています。初詣は近所の八王子神社で済ませました。年末年始は、YOUTUBEで、「人生に、文学を」オープン講座のシリーズを見ていました。作家が自作にこめた思いを語るものです。高橋源一郎小川洋子さん、西村賢太さん、村上由佳さん、浅田次郎さん、中村文則さん、内田樹さんを拝聴しました。皆面白かったのですが、高橋源一郎さんと小川洋子さんが引き込まれてしまいました。その話を聞いて、小川洋子さんの「ことり」を読むことにしました。高橋源一郎さんの話から、漱石の「こころ」を読み返すことにしました。

今回の言葉は、マーフィの法則の本から選びました。元祖マーフィの法則は、If anything can go wrong, it will.(何か問題が起きるとすれば、それは起こる。)です。そこから派生して、いろいろな法則が展開されていて、そのなかのひとつを選びました。

今回の言葉は、元祖マーフィの法則が成り立つ現象のプロセスを述べたものです。問題は事件や事故といってもよい。なぜ事故は起こるのか? 正月の羽田での衝突事故もマーフィの法則が成り立っているようです。事故は起こるべくして起こる。偶然とみなしている限り、何度も同じ事故は起こりえる。大きな問題は小さな問題の積み重ねからなる。これは大丈夫だ、あれも大丈夫だ、それも大丈夫だ。すべてを見過ごして、取り返しのつかない大事件、大事故につながる。そのプロセスを今回の言葉は述べている。今回の事故もその一例に過ぎない。旅客機の場合、乗員数が大きいので、乗務員が判断を間違えば死者も多くなる。管制官の仕事も、分刻みで離発着する航空機の軌道管理を行わなくてはいけないので、集中力を維持するのが大変である。こんな状況の中、能登地震の支援物資を積んだ海保機にも早く飛び立ちたいという焦る気持ちがあったのかもしれない。そして時刻は夜で、視界が途絶える。普段なら事故につながらない見過ごしも、折り重なって最悪の事態を招く。そのプロセスを今回の言葉は戒めるように思えた。