TaoChat@988編集後記

台風19号の被害はすさまじかった。

全国のあちらこちらの川が氾濫し、堤防が決壊し、80人を上回る方々が亡くなられた。

我が家にも避難勧告が出て、停電も10時間に及んだ。

自然の猛威の前に、人間は謙虚にならざるを得ない。

ラグビーワールドカップは、日本が決勝トーナメントに進出した。

カナダチームは、被災された方の復興に手を貸した。

ラグビーのフェア精神が行動に表わされた。

今回は、サルトルの言葉を取り上げた。

サルトルは、実存主義を唱えたことで有名である。

自分の存在は、自分の行動によって形作られるというのが実存主義である。

従って、人間は死ぬまで、自分の存在を形成する時間があることになる。

サルトルノーベル文学賞を辞退したのも、死んだ後でないと評価は決まらないというのが理由のようだ。

その意味で、サルトルチェ・ゲバラを高く評価したのがわかる。

ゲバラの伝記を読むと、その行動力に驚かされる。

カストロキューバ独立のため、戦っただけでなく、世界各地で貧しい人に命を捧げている。

ボリビアで革命を支持する行動の最中、射殺された。

まさに死ぬまで、ボートを漕ぎ続けた。

行動により存在が形作られることを体現した男である。

そこまでの行動力はなくても、漕がずにボートを揺らす人間にはなりたくないと思う。

ネット社会にはそんな人間が溢れている。

誹謗中傷に悩むときは、ネットから自らを遮断して、行動すれば道は開かれるとサルトルはささやく。

少なくとも、ボートを揺らす人間にはならない。