「春眠暁を覚えず」というが、暖かくなってよく眠る。
昨夜10時にふとんに入って、起きたら6時だった。
6時間も眠れば十分だったが、8時間も寝たことになる。
暖かくなって虫が眠りから覚めたようだ。
今回は、荘子を選んだ。
斉物論から言葉を探した。その理由は、スケールの大きいモノの見方が書かれていて、新春のスタートに合っていると思ったからである。
でも、選んだのは「朝三」の話だった。
これは日常生活でしょっちゅうお目にかかる場面だから、目を引かれた。
荘子には、猿と猿使いの話が出てくる。
猿は、日常の自分である。
目先の得に目を奪われて、あくせくする。
一番当てはまるのは、高速道路における渋滞時の車線変更である。
空いている車線に車を移動して、隣の車より10メートル先に行く。
隣の車はさらに車線変更してさらに先を行く。
30分して、高速道路から降りて料金所についてみると、自分を追い越した車が、後ろにいたりする。
目先の得に目を奪われて行動するが、長い目でみれば、思った以上に損得は帳消しされている。
実際にはあくせくしているときに、追突事故を起こしたりする。
そんなときに「朝三暮四」を思い出したい。
ギャンブルも同じ。
カジノでスロットマシーンで大勝ちしているが、時間が経ってコインのバケツを見ると、空になっている。目先の幸運に目を奪われると、元手がマイナスになっても気づかない。元手が無くなった時点でやめるのが得策。授業料を払ってギャンブルできたと思えばよい。
そういえば、カジノは宿泊料、食事、飲み物が無料のところもある。カジノで負ける金額が宿泊料、食事、飲み物の合計の金額を上回れば、カジノの儲けになるから。
だから、美味しい話があるときは、「朝三暮四」を思い出したい。
自分が猿扱いされていないかのチェックである。