TaoChat@1183編集後記

今日は雨は降っていないが、蒸し暑い。アロハシャツを着ていたが、暑くて脱いでタックトップになった。幸い風が少しあるので、救われる。今週のニュースは、やはりりゅうちぇる自死がショックだった。あの心優しいトークが聞けないのは悲しい。「建築関係とんとんとん」という言葉が浮かんでくる。周りのひとに気遣い、とにかく言葉をよく選んで話をされる方だという印象をもった。そんな心優しい人間がなぜ自死しなくていけなかったのか、ほんとにつらい気持ちで一杯です。カミングアウトを行い、多様性を訴えていただけに、本当に残念でしかたがありません。心よりお悔やみ申し上げます。プライベートでは、今朝カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を読み終えました。ページ半分まで行っても、ストーリー展開が遅々として進まず、悶々としていましたが、後半それも最後の100ページあたりから、少しずつ進み始めました。前半での教師たちの態度への疑問が後半明らかにされていく。臓器提供するクローン人間を幼少から教育する人間と教育されながら介護人と臓器提供者に別れていく人間間の触れ合いを体験できる小説でした。とにかく自分をいろいろな立場において、このクローン人間の命という問題を考えるきっかけを与えてくれる。幸いIPS細胞の出現で、クローン人間の死の問題は回避されることに安堵するしだいです。

今回の言葉は老子から選んだ。この言葉もこれまでに何度も取り上げた言葉です。道の動きの根本を語る言葉で、大好きな言葉です。自然の動きは波動にたとえられます。波動は原点の周りを行きつ戻りつする運動です。心臓の鼓動も波動であり、星からの光も波動です。老子は、このような自然現象から道の希言を聞き、今回の言葉で表現したのではないでしょうか。わたしのペンネーム「有無相生」も、有から無、無から有という反(原点回帰)の運動を表現したものです。今回のりゅーちぇるさんの不幸を無駄にしないためにも、均一化(均質化)を目標にしてきた日本の社会を多様性を大切にする社会に原点回帰する運動を応援したいと思います。