TaoChat@1033編集後記

日の長さはすこしずつ短くなっているのを感じる。

週単位の時間の経過は、自分の爪の伸びる長さで感じる。

切っても切っても長くなる。

これが自分が生きている証しに思えてくる。

きっと無人島で暮らしても、爪の伸びとひげの伸びで時間の経過を知るのだろう。

日中の暑さのほうは相変わらずである。

この一週間のビッグニュースは、安倍首相の辞任である。

最近の安倍さんの顔には悲壮感が漂っていると思っていたが、持病の悪化というのは、昨今の激務を考えると頷ける。ストレスが半端なかったようである。

安倍一強というと聞こえは良いが、すべてが安倍さんのもとに集まり、仕事が半端なく膨れ上がる。メルケルさんやトランプさんだって同じだが、仕事のやり方が根本的に異なっている。大事な判断だけを自分がやり、どうでもよいものは有能な部下に任せる。

自分の体を壊さない程度に、権限をどんどん委譲する。これが生産性をよくする工夫である。日本の生産性の低さは、コンピュータでできることを人がやり、どうでもよい仕事まで自分が受け持つことから来る。

政治家でもサラリーマンでも同じこと。生産性の一番悪いのが官僚である。縦割り体制で、おれがおれがで仕事をやる。みんな自分で抱えて職場に詰める。自分の仕事がきつかったら、どうしたってコンピュータに代替わりさせる。それがコンピュータに自分の仕事を奪われると考え、コンピュータの代用を排除する。

今回の言葉は、安倍首相に贈る老子の言葉である。

自分のやってきた仕事は数多くあるが、その成果は自分のものとせず、成果を自慢にしない。政治家がやらなければいけないのは、日本という国を将来どういう国にするのかというビジョンである。それを代々の首相が引き継ぎ、少しずつ国をビジョンに近づけるということである。持続可能な発展を遂げる国日本。これがビジョンなら、元気にしなくてはいけないのは未来の日本を支える子供たちである。

教育の無償化と多様性のある能力を備える子供たちである。

能力は、知力、体力、社会力。 スマホとゲームで視力と体力を落とす子供たち。

コンピュータのない世界に飛び込ませ、自然と折り合いをつけて生活する経験。

自分の国をどう守っていけばよいのか、真剣に考える場を設ける。

憲法改正の前に、政治家がしなければいけない準備はかなりある。

単に、自衛隊を軍として認めるか否かの問題ではない。

戦争を放棄した日本がとるべき道は、アメリカにおんぶしてもらう選択肢以外にないのか。国民の頭は、国防に関して思考停止している。

なんとなく守ってもらい、なんとなくお金を払って基地を維持してもらい、米兵が事件を起こすと、なんとなく地位協定が顔を出す。

そんな国であり続けて良いのか?という疑問すら湧いてこない。

お上がなんとかうまくやっているから関係ない。

世界の常識から見ると、日本は平和ボケ国民なのは頷ける。

お隣韓国だって徴兵制があり、国は原則自分で守るという教育がされる。

日本だけが、国防意識をタブー視して、丸投げして大丈夫と空満足しているとしか思えない。これが取り越し苦労ならよいのだが。