一極集中の怖さ

首都圏の人口流入が減らないというニュースを聞いた。

それが通勤ラッシュや交通渋滞を生む。

何故人口流入が止まらないかというと、官庁が東京に集中し、企業の本社が東京に集中し、勤め人が近郊から集まり、道路が混み、交通機関が混み合う。

政治経済の中心が一極化している。

北朝鮮の脅威を防ぐため、政府は防衛のための兵器を買い込んでいる。

しかし、北朝鮮の核爆弾が数発東京に落ちれば、日本の政治経済は再起不能に陥る。

そういった危機的な状況に日本政府は非常に楽観的である。

アメリカが安保条約で、ミサイルを迎撃してくれるとたかをくくっている。

核兵器を世界一持っているアメリカでさえ、経済の中心はニューヨークにあり、政治の中心はワシントンDCにある。学問の中心は、ボストン、プリンストンスタンフォードと全国に散らばっている。リスクを分散しているから、1回の攻撃では国は滅びない。

東京のリスクは、北朝鮮だけでない。

地震や大雪や大雨でも、機能停滞する。

人間のからだですら、頭にすべての機能が集中しているわけではなく、心臓に全身にエネルギーをとどけるポンプ機能、消化器官には外部から栄養を取り込む機能、皮膚は体温を一定に保つ機能、手足には運動機能と、全身に機能分散して、外界のリスクに備えている。

日本だけが、一極化して、リスクまで集中させている。

エネルギーだけ、他県に依存している。自分で自立するなら、東京になぜ国策で原発を配備させないのか。

安倍内閣の成長戦略は経済に集中して、この国のリスクを軽減する戦略になっていないのが気掛かりである。明治時代の一極集中による成長政策を踏襲しているだけで、関東大震災の反省を真剣に考えていないように見える。

災害にあってから考えることは、福島原発災害だけで十分である。