TaoChat@932編集後記

涼しい日から寒い日に変わっている。

メルマガは、先週のゲーテに引き続き、ニーチェとドイツ続きである。

樹木希林さんが亡くなり、昨夜、「ぴったんこカンカン」で希林さんの追悼特集を見た。網膜はくりで左目を失明し、ガン闘病と、天からの試練は手厳しかったが、それをものともせず、人生を全うされた。

追悼特集では、歯に衣着せぬ物言いと自分の信念のままに生きる姿勢に笑いが絶えなかった。

死を意識した日常の生活には見習うべきものが多々ある。

今回のニーチェの言葉は、希林さんの生き方そのものといえると思う。

夫婦関係のベースは愛情にあるが、長続きする関係は、自己の目標実現にある。

特に関係の危機に陥ったときに、この目標を再度確認する機会を得る。

この目標は、希林さんの場合、夫の裕也さんを自分の重石にしたと語った。

自分の性格があり、その性格を導く存在として夫を考えた。

ニーチェの言葉では、有名になるとか、愛情を得るという、世俗的な目標が挙げられるが、希林さんの目標のように、ひとそれぞれ固有の目標を持っているから、はた目には変な夫婦と見られても、関係は長く続く。

人間関係は、普遍的な解はない。 当事者同士が、相手を通して自己目標が実現できれば、関係は長続きする。

資産家と結婚した女性が、夫の破産のあと、どういう選択をするだろうか?

夫の資産でぜいたくな生活をするのが目標なら、すぐに関係解消して別れるかもしれない。夫のポジティブな生き方を心の支えにするというのが目標なら、ゼロからの出発を共にするという選択をする。

このように人間関係を続ける上で、危機が何度も訪れる。

そのときに、自己目標が試金石にかけられる。

自分で決め、自分が納得した目標はそれなりに持ちこたえる。

安易な世俗的な目標はすぐに破綻する。

ニーチェはそこまで言っていないが、自分の目標は自分以外には語ってはいけないと思う。関係維持の秘訣は、自分がわかっていれば済むはずである。