仮想通貨の不正流出問題がクローズアップされた一週間でした。盗まれたお金を使わせなくする策が採られましたが、盗まれたお金を取り戻すことはできません。
銀行券で言えば、紙幣に赤インクを塗って、盗まれたお金だと明らかにすることです。基本的にお金を取引所に預けた人はそれが盗まれても補償を受けることはできません。
ただ今回は、取引会社の自己資本が大きく、好意で返済してくれるというお話です。
まあ、美味しい話にはそれなりのリスクを伴う一例だと思います。
それはさておき、いいニュースは将棋界の藤井君が五段昇段できたことです。
最年少記録ではレジェンド加藤一二三さんに勝てませんでしたが、中学生初の五段昇段です。将棋の道を邁進する藤井君ですが、強くなる方法として、AI将棋を用いて、自分の手を自己診断することがあります。
機械知をベースにするのは、将棋界では脇道かも知れません。
しかし、人間では気づかない手を教えてもらうのも、一つの逃げ道です。
逃げ道を知った上で、どの道を選択するか、選択の幅を広げるというのが、今回の禅語に通じるところです。
そもそも生命の進化は、一本道を進んできたのではなく、逃げ道を選択しながら、生命をつないで来た歴史です。
老荘の考えは、自然の道が人間の道の手本になるという考えです。
そうすると、わき見しながら、進む道が遮断されたら、どの道を選択するか常に考えるというのが、サバイバルの基本といえるでしょう。
人間、命を与えられたなら、どのようにそれを次世代につなげていくかが、人間の道です。
国の道は、借金を未来に残すのではなく、この国に生まれてよかったと未来の子が感じる国を作ることだと思います。クレジットカードのような借金で経済成長し、格差社会がはびこる未来を子供たちが喜ぶでしょうか?
そのころには安倍さんも黒田さんもこの世にいないので、経済成長ありきの議論が先行するわけです。責任を問いたくても、死者に口なしです。