先週は孫たちが来訪したので時間がとれず、お休みした。
今回の言葉は、菜根譚から、濃厚な味覚は飽きが来るという意味深な言葉でした。
味の100%の押し付けは、味わう側からすると、おいしさは長続きしない。
霜降り牛肉もとろける様な食感と濃厚な味に、始めはおいしいと感じる。
ところが、続けて食べると、そのおいしさが持続しない。
濃厚スープのラーメン店は、飽きがこない濃厚さを研究する。
酢を入れたり、トマトを入れたり、野菜を入れたり、舌に爽やかさを与えて、濃厚さを6,7割に抑える工夫をする。そうすることで、リピータが増えていく。
何でもかんでも、メッセージを100%伝える事がいいことではない。
味のメッセージも、濃密であれば、飽きがすぐ来る。
小説も、書き手のメッセージを100%伝えることをしない小説が好まれる。
ある程度読み手に考えさせ、読者ごとに異なるメッセージを送る。
菜根譚は、味覚の例から発展させ、人間関係さらに国際関係にまで展開していく。
他者との関係を長続きさせるには、バッファ、つまり緩衝地帯を間に設けることである。緩衝地帯は、その都度発生するいざこざの影響を吸収して、深刻な事態を引き起こすことを回避する役割を果たしてくれる。
一言でいえば、一定の距離を保って、お付き合いすることである。
バッファを大きく取りすぎると、関係はそのまま疎遠になる。
従って、バッファをケースバイケースで選択するのが生きる知恵になる。
日米関係は、江戸幕府を力づくで開国させたのが米国、原爆を落として大戦を終結させたのも米国、戦後の経済復興に貢献したのも米国、という経緯があり、濃厚な関係が続いている。
今までおんぶにたっこ状態で甘えてきたのが日本。
そのつけが今になって現れている。
日本で米車がほとんど売れていないのに、米国では日本車が多く売れている。高信頼性からか中古車市場やレンタカーでは日本車が首位を保つ。米国が車に高関税を課すというのはある一面理にかなう。
ここいらで、独立国家として、米国とも距離を保って関係改善していかないと、永遠に米国のポチになる。
核兵器廃絶条約に調印しない日本は、ポチの勲章である。
原爆を落とされた国が核廃絶に賛成しないのは、米国との関係があるからである。
言いたいことを自由に言える日本にするには、日本が独立国家として、ポチ状態から抜け出ることである。
そういった意味で、菜根譚の言葉は意味深である。