TaoChat@1215編集後記

昨日は忙しく、編集後記は一日遅れました。今日は朝から寒く、一日雨で散歩は出来ず、会社の仕事の準備をしたり、ビデオを見たり、だらだらしていました。ビデオは、NHKの「天才ピアニスト 10年の空白を越えて」で、ブーニン氏の復帰コンサートを2年間密着したものです。左手が自由に動かなかったり、足を一部切断するという困難を困難を乗り越えるという話で、自分の演奏に満足しないながらも、少しずつ前に進む姿勢に感動しました。ブーニン氏はロシア出身で、19歳でショパンコンクールに優勝したのち、ドイツに亡命したピアニストで、日本人の奥さんをもらっています。復帰コンサートは日本で果たし、日本の聴衆に勇気をもらったと感想を述べています。これを見ても、ロシアは優れた芸術家を多く輩出しているにもかかわらず、おろかなことを何十年、何百年繰り返している、非常に情けない国であり続けていることがわかった。かつては宇宙開発の先頭に立ったが、今では月着陸に失敗するほど、落ちぶれている。

この一週間のニュースは、熊本県TSMC半導体工場が開所され、県内はバブル景気に沸いているというのが印象的だった。半導体産業は、かつて日本のお家産業だったが、今では台湾のメーカ頼みの感がある。半導体材料と製造機械で優位を保つが、最終製品のチップを作っていないと、どうしても買い叩かれる。地元の町民は黒船が来たと言っていた。やはり日本は黒船が来ないと、慌てないようだ。

今回の言葉は、論語よりいただいた。論語はたまに読むが、なかなかいいことが書いてある。孔子を輩出した中国ではとうに忘れられている。老子も輩出しているが、まだ老子の考えの方は民間に浸透している。孔子の教えと老子の教えを比較するために、今回の言葉を取り上げた。老子からすると、論語の説く、道徳は、国が乱れてこそ、その重要性が高まるように見える。道徳は社会の秩序を保つために導入されるからだ。老子は、親鳥と雛の関係を観察すれば、親は雛に何をすればよいかわかるという。自然の掟のなかに道は示される。雛が独り立ちできるまで、無償の愛を捧げる。しかし、独り立ちしたあとは、雛は親から離れる。独り立ちすることは自活することである。親鳥は、自活するための術を雛に教える。人間の社会では、独り立ちする術より、富と地位を高めるための術を教え込まれる。競争相手との和を保つために、道徳が持ち込まれる。

老子は、富や地位よりももっと大事なものがあると説く。それは与えられた生を全うすることである。生は当然自然から試練を与えられる。その試練を乗り越えるために、どう生きるを説く。それは水のように無形で柔軟に生きることだと教える。

論語のなかに、老子と対比できる箇所を見つけるのが楽しくなった。