本格的な寒さになってきた。
今回は、コインチェックの仮想通貨不正流出事件を受けて、菜根譚の言葉を選んでみた。
流出額が580億円相当なので、会社なら当然潰れる額で、銀行と違い、仮想通貨購入者の損失補償はない。
そこが仮想通貨の怖さである。
原因は、セキュリティ対策が甘かったことといえる。
ハッカーは外部からシステムに入り込み、セキュリティホールを見つけ出し、金庫の穴から、ネットを介してすべて盗み取る。
銀行券なら、5.8トンにおよび、とてもじゃないがひとりじゃ運べないが、ネットだと一瞬で終わる。
悪いことに、北朝鮮のような国だと国家がハッカーを養成し、仮想通貨を不正取得するので、いくら封じ込めようとしても資金に困らない。
仮想通貨の相場は乱高下するので、投資家は魅力的に感じる。
しかしながら、仮想通貨は国家が管理する通貨ではないので、不正流出で失われた金額は、何の補償もない。仮想通貨を購入した人がそのリスクを理解したうえで投資する。
菜根譚の言葉は、儲かるからといって、危ういものに手を出さないことを教える。
新しい技術は、便利さの反面、欠点も多い。
欠点をつかれて、不正流出が起こる。
仮想通貨は、強固なセキュリティで保護されて、価値が成立する。
しかし、セキュリティホールを見抜くハッカーは、どの取引所がセキュリティが脆弱か情報を交換する。セキュリティの弱い取引所がハッカーの標的になる。
電気自動車(EV)や自動運転も、まだまだ新しい技術である。
便利さだけが表に出るが、いろんな事故が出尽くして、技術が改良される。
目新しさに目を奪われると、本質を見失う。
じっくり様子を見て、判断するに越した事はない。