TaoChat@1170編集後記

メルマガを発信した土曜日は一日雨で、自宅に閉じこもった。日曜は晴れ上がり、気温も上昇し、初夏の天気だった。日曜は恵比寿で高校同期のZoom会メンバーと昼食会を行なった。恵比寿は高いビルが少なく、休日を過ごすには丁度よい。恵比寿ガーデンプレイスタワー39階のイタリアンBOCCIANOで2時間ほど話し込んだ。幸い天気がよく、最上階からの見晴らしもよかった。都会には住む気はないが、たまに街並みを俯瞰するのは楽しい。この一週間は、通勤時間はオーウェルの「1984」を読み、家では、阿刀田高氏の「やさしいダンテ」を読んでいた。「1984」は今のロシアの状況を描いているような気がする。国民には真実を知らせないように、事実をすべて書き換える。米国では、情報管理部門の米兵が国家機密情報を漏洩し、米国が同盟国内の通信を盗聴していることが明らかになった。「1984」の世界は、ロシアのみならず、米国にも浸透しているようだ。同盟を結んでも、本当に信用してよいかわからなくなっている。ロシアの場合は水面上で情報統制にあからさまになっているが、米国の場合は、水面下で情報操作を謀っている。「やさしいダンテ」を読むと、地獄篇、煉獄篇より天国篇の方に興味が湧く。地獄や煉獄で出会う人は、現世で何かしら神の教えに背き、罰を受けているが、天国で出会う人は、神の教えを信じた人、神の教えを広めた人など、貢献度によって、天国にも階層があるところは面白かった。世間でのニュースは、岸田首相への襲撃事件が目立った。手製のパイプ爆弾を投げつけたが、すぐに爆発せず、岸田さんは無事だった。安倍さんといい、岸田さんといい、容疑者は若者である。今回も選挙期間中の応援演説を狙ったもので、相変わらず民主主義への挑戦という非難の声が上った。若者が何故不満を持つのかの議論がされていない。不満の原因をたどると政治家に向かうのは当然ともいえる。政治家が主導して今の日本を形作っているからである。勉強不足の政治家は官僚を頼り、政治家の責任を果たしていないからである。政治家は選挙で勝って、政治家になることが第一目標になる。政治家になったあとは、なすべきことをやらないで、国費を無駄遣いする。コロナ下でのマスクと支援金ばら撒きはその一例である。その政治家を選ぶのは国民とすると、無能な政治家のなすことは皆国民に跳ね返ってくる。膨張する赤字国債のつけはいずれ国民に帰ってくると思われる。

今回の言葉は、シェイクスピアマクベスからいただいた。どんな辛いことも時が経てばやわらいでくる。聖書のなかには、この言葉の実例がいくつも出てくる。辛いことから解放される救いの手は、神の啓示となる。それを信じる者が救われる。ノアの箱舟、エジプト脱出しかりである。老子の場合、救いの手は、自然からの声(希言)となる。

水が高い所から低い所に流れるように、水の振る舞いから生きる術を学ぶ。砂漠という厳しい自然のなかで、ユダヤ教キリスト教イスラム教は生まれた。砂漠には水は少ないが、常に見えるのは太陽と月と星である。天体の繰り返される運行は、自然の声となって、唯一神に導いてくれるのかもしれない。