平成もあと2月あまりで終わりである。
高校の同窓生のお知らせも、平成最後の同窓会というタイトルでメールが送られてきた。この2ヶ月は、飲食業界も好景気となるでしょう。
月曜から金曜まで、通勤で東海道線を使って東京まで出る。
片道1時間の旅である。その間、読書を必ずする。
今、読んでいるのは、川端康成の「古都」と、平野啓一郎の「私とは何か」である。
川端康成の小説は、京なまりが臨場感をそそる。京都の風景を眼に浮かべ、楽しんでいる。
「私とは何か」は、平野啓一郎氏が前から言っている、分人主義を語った本で、若者向きの本だと思うが、高齢者が読んでも面白い。
自分の性格はこういうものだと決め付けると、その性格では対応が難しい局面では、自分を自己規定することで、新たな展開が望めない。
平野氏は、性格は相手次第と言い切る言葉を教えてくれた。
どのように相手とコミュニケーションすることで、自分の性格を変えていくのか。
これは人生にとって大きな課題である。
それを教える言葉を今回取り上げました。
自分が知る事ができるのは、相手の自分に対する分人。
その分人を形成するのは半分は自分だと知ると、自分の言葉の重さを思い知ります。
相手の示す分人によって、自分の相手に対する分人が形成されるので、結局、自分の言葉が自分に跳ね返ってくる。
あたりまえのことかもしれないが、平野氏の本は、それに真正面から取り組んだ素敵な本だと思いました。講談社新書です。