雪雲が空に広がっていたが、雪はまだ降らない。
雪が降ると、なぜか心がわくわくする。
雪国のひとは、雪下ろしとか車のスリップとかで大変でしょうが、雪を余り見ない地方の私にとっては、家や街の雪化粧は、いつもと違う美しさに出会うチャンスになる。
今回の言葉は、禅語にした。
つい数日前、NHKのワイルドライフという番組で、北米ロッキー山脈に生きるビッグホーンの自然との闘いを見ました。
オスとメスが別々に集団生活していて、オス同士は角と角をぶつけて、一番強いボスを決める。メスは集団で狼からこどもを守り、強い子供を産むために、強いオスを待つ。
強いオスでもメスが受け入れてくれるまでは、交尾ができない。
メスが受け入れてくれるまで、大きな角を見せ付けて、一番強いことをアピールし続ける。雪に閉ざされる冬山という厳しい大自然と、生存を賭けた厳しい闘いの中で、ビッグホーンは生活をする。この映像を見ると、人間の生き方とつい比較したくなる。
自然から学べることは多いからである。
自然界では、動けなくなったものは、他の動物の餌食になるか餓死するしかない。
人間社会では、動けなくなっても手を差し伸べてくれる。
孤独死というのは、自然界での死に方に近い。
なぜ手を差し伸べるのか?
それは生きている事が、他に勇気を与えてくれるからだと思われる。
どんなに苦境に立たされていても、生きたいという主張を貫くことで、他を力づけてくれるからだと思う。
お届けした禅語は、松の極寒を生き抜く様を見て、ひとの力量が問われる姿をイメージさせる。
われわれが、自然界から学ぶことは多い。
人間社会のどこで自然の掟を大切にすべきかを教えてくれる。