ケンブリッジサーカス

ポールオースターの小説が好きで、その翻訳が多い、柴田元幸先生の文庫本「ケンブリッジサーカス」を数日前に読み終えた。

ポールオースターとの対談も入っている。

世代が近いので、月光仮面やおそ松君や話がなつかしい。

エッセイだが、筆者の子供の頃の妄想が現実と交錯する話が多々出てくるので、読んでいるうちに、フィクションの世界に引きずり込まれる感じがしてくる。

真剣に本を読み始めたのが大学からというが、にわかに信じがたくほんとかなとも思ってしまう。

翻訳に必要な英語力は一体何処で身につけたのか、そこの経緯をもっと知りたかった。

柴田先生と自分が似ている点が、年代以外にもあったことがおかしかった。

平地でもよく転ぶところである。

あしとあしが絡まって転ぶ。

そういえば、運動会の徒競走のときも、あしが交錯してよく転んだ。

転ばないように考えて歩くせいか、少々の段差があっても、すぐに対応できずに転ぶ。

柴田先生の幼稚園時代のスキップの話も共感が持てた。

スキップできない園児ふたりの一方に柴田少年が入り、やっとスキップできるようになったら、必要ない場所でもスキップを披露する。

孫が得意げにスキップを見せるのを見て、俺に似ないでよかったと思う。これは自分の話である。