TaoChat@928編集後記

先週は孫たちが来訪したので時間がとれず、お休みした。

今回の言葉は、菜根譚から、濃厚な味覚は飽きが来るという意味深な言葉でした。

味の100%の押し付けは、味わう側からすると、おいしさは長続きしない。

霜降り牛肉もとろける様な食感と濃厚な味に、始めはおいしいと感じる。

ところが、続けて食べると、そのおいしさが持続しない。

濃厚スープのラーメン店は、飽きがこない濃厚さを研究する。

酢を入れたり、トマトを入れたり、野菜を入れたり、舌に爽やかさを与えて、濃厚さを6,7割に抑える工夫をする。そうすることで、リピータが増えていく。

何でもかんでも、メッセージを100%伝える事がいいことではない。

味のメッセージも、濃密であれば、飽きがすぐ来る。

小説も、書き手のメッセージを100%伝えることをしない小説が好まれる。

ある程度読み手に考えさせ、読者ごとに異なるメッセージを送る。

菜根譚は、味覚の例から発展させ、人間関係さらに国際関係にまで展開していく。

他者との関係を長続きさせるには、バッファ、つまり緩衝地帯を間に設けることである。緩衝地帯は、その都度発生するいざこざの影響を吸収して、深刻な事態を引き起こすことを回避する役割を果たしてくれる。

一言でいえば、一定の距離を保って、お付き合いすることである。

バッファを大きく取りすぎると、関係はそのまま疎遠になる。

従って、バッファをケースバイケースで選択するのが生きる知恵になる。

日米関係は、江戸幕府を力づくで開国させたのが米国、原爆を落として大戦を終結させたのも米国、戦後の経済復興に貢献したのも米国、という経緯があり、濃厚な関係が続いている。

今までおんぶにたっこ状態で甘えてきたのが日本。

そのつけが今になって現れている。

日本で米車がほとんど売れていないのに、米国では日本車が多く売れている。高信頼性からか中古車市場やレンタカーでは日本車が首位を保つ。米国が車に高関税を課すというのはある一面理にかなう。

ここいらで、独立国家として、米国とも距離を保って関係改善していかないと、永遠に米国のポチになる。

核兵器廃絶条約に調印しない日本は、ポチの勲章である。

原爆を落とされた国が核廃絶に賛成しないのは、米国との関係があるからである。

言いたいことを自由に言える日本にするには、日本が独立国家として、ポチ状態から抜け出ることである。

そういった意味で、菜根譚の言葉は意味深である。