文庫本が出たので、早速買って読んでいる。
人生が変わるというのは大げさに思うが、この本をじっくり読むと、自分の心の何かが確かに変わっている。
東洋哲学の捉え方が、これまでの本と違って、日常の行為と結びつけて、孔子、孟子、墨子、老荘の考えを再評価しているので、退屈さを感じさせない。
特に面白かったのは、仁と礼の話で、儀礼は、自分を変えるための自己修練と捉えるところである。奥さんにいつも「愛している」と声をかけるのは、大事な礼という。
「愛している」と声をかけても、本当に思っていなくてもよい。
愛しているように、優しく対応することが、新たな関係を構築し、それにより自分自身も一段上の自分に変化していく。
何気ない日常のあいさつも大切だという。まるで道徳の授業のようだが、自己を閉鎖するのではなく、オープンにすることで相手の見方も変わってくるという。
それを実行するには、心を落ち着け、平安に保つ訓練が必要だと説く。
欲をいうなら、孔子の言葉と対応付けて、その解釈の妥当性を示してほしいが、それは自分への宿題としたい。
TaoChatのメルマガにも、この本の読後感想みたいなのを載せたいと思います。
自分が変わる哲学を東洋哲学に見出したことはあたっています。