花のれん

NHK番組の「わろてんか」が今日終わりましたが、その原作の「花のれん」を同じ日に読み終えました。吉本興業の創設者の多加さんの苦節のドラマでした。

山崎豊子さんの大阪弁の文体が小説にリズムを加えています。

わろてんか」のほうは通して見ていないので、原作と同じかはよくわかりません。

寄席に安木節を演目に取り入れたところとか、関東大震災のときに東京の芸人を支援したこととか、通天閣を買って花菱亭の顔にしたこととか、それを解体して鉄材を軍隊に提供した話とか出てきます。

それらすべてが、お笑い興行を拡大して大阪の顔にしたドラマを構成し、多加さんのきりもりが目の前で展開するようで、小説を読むというより舞台を見ているようでした。大阪弁が臨場感を豊かにしています。「わろてんか」を見たかたも一読の価値アリです。