TaoChat@897編集後記

昨日BSのプライムニュースで、働き方改革推進担当大臣が来て、働き方改革の今後の方向性について議論があった。話を聞いていると、ガイドラインを出すだけで、企業の善意にまかせる姿勢が強いという感じがした。デフレ脱却のために、企業に賃上げをお願いするという、これまた企業の善意にまかせる姿勢を相変わらず続けている。

今回の言葉は、ドラッカーさんの言葉から、労働生産性に関する言葉を挙げてみた。

極めて単純明白である。労働者は、どう頑張ってみても労働生産性は上げられない。

マネージャ(経営者)が賃金を上げてくれれば、自動的に労働生産性は上る。

しかし、これを実践する経営者は少ない。

総理大臣が頭を上げても、経営は苦しいから賃金は上げられないという。

次に、労働時間を減らして、労働生産性を上げる策がある。

日本の労働者は、賃金が低すぎるから、残業時間で穴埋めしようとする。

労働時間を減らすと、残業時間が減るので、賃金も減り、生産性向上にならない。

分母(労働時間)を減らすと、分子(賃金)も減るので、比の値(生産性)は変わらない。賃金を減らさずに、労働時間を減らさなければならない。

これができるのは経営者(マネージャ)だけである。

マネージャは、労働者の作業効率(能率)を上げて、労働時間を減らす工夫を考えなければならない。そこには、IT化により無駄な作業を省く工夫が求められるし、早朝出勤のインセンティブ(朝食を無料で至急)を与え、退社時間を早めるルールを作るという工夫もある。実際どっかの商社の社長がそれを実践しているTV番組を見た事がある。労働者が高齢化すると、6時出社も苦にならなくなる。会社の勤怠システムやセキュリティシステムを完備すれば、コアタイムの設定も必要なくなる。

今までの日本が、マネージャが楽をして、労働者が時間と心身を犠牲にして賃金を稼いできた、生産性の歴史がある。

ドラッカーさんは、経営者(マネージャ)がしっかりしないと、組織は滅ぶという。

労働生産性の高い企業は、人を大事にする企業である。

ブラック企業は低賃金で長時間労働を強いる。

今や、お医者さん(勤務医)も最低の時給だという。

賃金は高いが、労働時間がはんぱなく多い。

職種によらず、マネージャは生産性向上を人間重視の視点で考える必要がある。

AIやインターネットが発達してくると、機械が提供した情報や判断をどのように考えるか、人間の対応力が求められる。機械にないものは、心の触れ合いである。

自分が人間から大事にされているという感覚である。

その感覚を実感できるように、マネージャは生産性向上を考える必要がある。