TaoChat@889編集後記

今週のニュースは、金属材料メーカの品質偽装がまた明らかになり、韓国では「慰安婦の日」が制定され、サンフランシスコ市は慰安婦像を認定した。中国が習近平の特使を北朝鮮に派遣したものの失敗に終わり、米国は北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定した。

いいニュースは続かないが、オバマ政権の失敗作だった、「テロ支援国家」の解除を取りやめたことは、トランプ政権の良識だったと評価したい。

そこで菜根譚の言葉をなぜ選んだのか振り返りたい。

狙いはもっと日常の問題から考えたかった。

車の「あおり運転」が問題となり、ドライブレコーダが売れているそうだ。

車だけではない。道を歩いていても、自転車にぶつかりそうになったり、後ろから走ってくるひとにぶつかったりする経験は誰も持っていると思う。

何故皆が先を急ぐのか?

ひとより一瞬先に行っても、最終地点ではそう変わらない。

TVでよく実験していることだが、渋滞時に車線変更を何回も繰り返しても、同じ車線を走り続けても、目的地に到着する時刻はさほど変わらない。

渋滞時に車線変更して接触事故を起こす危険を冒してまで、先を急ぐメリットはない。

あおり運転は、先を越した人に先を越された人が先を越されたことを根に持って行う危険運転である。その原因は、「先を越した行為」と

「その行為に逆切れする行為」である。

菜根譚は、おおもとの原因、「先を越した行為」を控えて、余計なトラブルから身を守ろうというもの。

「先を越した行為」は、競争社会の中では、ひとより先に出世することだが、これも周りからしっとやねたみを浴びることが多い。

自分で原因を作ったという自覚がないから、始末に終えない。

これは誰が悪いといった議論ではない。

悪くなくても敵意を持たれると言う事である。

広い世の中、理不尽なことも沢山起きていて、その原因を自分が作っていることを自覚しないと問題は永遠に解決しない。社会が変わる前に自分が変わるしかない。

それを菜根譚は言っているように思う。

日本企業の品質偽装で言えば、早く製品を市場に送ることを急いで、正規の試験を端折った結果、つじつまを合わせるためにデータ改ざんすることになった。その結果、稼げた時間以上の対価を支払わなければいけない状況になった。

北朝鮮への圧力も先を急ぐと失敗する。

じっくり時間をかけて締め付けるべきである。

窮鼠爪を噛むというように、追い詰められると何をしでかすかわからない北朝鮮である。

あおり運転のドライバーように行き着くところまで行く。

事故で自分が傷つくか、相手を事故で傷つけるか、同時に両者が傷つくことになる。

それを避けるために、じっくり圧力を増していくほうがよい。

トランプ大統領もこの戦略で行くのだろう。

菜根譚の言葉は、広範囲に適用できるが、今回のメルマガでは、身近な防衛策にとどめた。